頭と口
YURI こと山村佑理と、渡邉尚の2人によるジャグリングカンパニーです。山村はトスジャグリングから入って次第にダンスの要素を取り入れていき、フランスのサーカス学校にも留学しました。ながめくらしつや Daggle Crew にも参加しています。渡邉はジャグリングよりもダンスがメインで、コントーション、アクロバットなどの要素も取り入れています。
WHITEST
日時 | 2016年11月6日(日) 15:05~16:15 |
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場所 | KAAT |
料金 | 3,000円 |
「頭と口」の旗揚げ公演は横浜にある神奈川芸術劇場で行なわれました。大スタジオと呼ばれる150席ほどの会場の8割が埋まっている感じです。私が見たのは2回あった公演の2回目で、自由席でした。公演後にアフタートークもありました。
大スタジオは座席スペースよりも演技スペースの方がずっと広く、その広さを生かした(と言うよりその広さがないと表現できない)パフォーマンスでした。1時間強の時間を使った1つの演目で、床に散らばった100個のビーンバッグを投げたり集めたり並べたりと、様々なアイデアを披露していました。
冒頭の演技では床を垂直の壁に見立て、ボールをフリークライミングの手がかりのように使用して、その壁を登ったり降りたりするのが非常にそれっぽくてよかったです。ただ、その後はどこかで見たことのあるような動きがずっと続いて、特に印象に残るものがなかったのが残念でした。それは、「広い床に100個のボールがあったら何ができるか」という観点から導かれるアイデアの域を出ていないからでしょう。
道具としてはビーンバッグを使用しているものの、これはジャグリングではありません。サーカスやダンスでもなく、一番近いのはクラウニングだと思いました。今後もこの方向性で行くのかは分かりませんが、個人的にはジャグリングを期待します。
MONOLITH
日時 | 2015年12月27日(日) 13:05~14:00 |
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場所 | 中野テルプシコール |
料金 | 前売2,500円 |
「頭と口」の旗揚げ公演かと思いきや、まだ旗揚げ前らしいです。会場は中野テルプシコールで、80ほどの座席は埋まって通路にも座布団を敷いて客を入れていました。3日間で5公演あったうち私が見たのは最終日の、通算4回目でした。自由席です。公演後、PONTE 編集長の青木直哉を加えてのトークショーがありました。
演目は
- 山村「ネタオーレンに捧ぐ」
- 渡邉「逆さの樹」
の2つで、いずれも30分弱のソロ演目です。演目間に片付けなどで若干の間がありました。
2人とも床に置かれたたくさんのボールを拾ったり、口にくわえたり、体に載せたり、地面に並べたりしていました。渡邉は初めて見ましたが、動物の鳴き声を背景に動物的な動きを次々と見せていくのが面白かったです。手や足でボールを掴みはするもののほとんど投げず、ジャグリングと言うよりはコントーションに近い。山村は、現在彼が一番興味があるというコンテンポラリーダンスを織り交ぜたパフォーマンスで、こちらもあまり投げません。
日本でヌーヴォー・シルクが芽生えていく様子が垣間見えて、それはそれでよかったと思います。残念だったのは、2人の公演なのに2人で行なう演目が全くなかったことです。カンパニーを正式に立ち上げたあかつきには、この2人が揃わないとできない演目を創作してくれることを願います。